まず、離婚に際して財産分与や親権、養育費、慰謝料など様々な取り決めが必要です。しかし、多くの方にとって離婚は初めての経験であり、知識のないまま話し合ったことで離婚条件が適当になったり、妥協したりする可能性も考えられます。弁護士に依頼すると、依頼者にとって有利な条件で離婚を進められるようサポートし、適切なアドバイスも行います。また、相手との交渉を代行したり、離婚調停時に調停委員とやり取りしたりする役割も担います。

相手方に弁護士がついたことがわかると、「不利な立場になるのでは？」と不安になるでしょう。状況によりますが、こちら側が即座に不利になるわけではありません。離婚を成立させるには当事者同士の合意が必要です。そのため、離婚調停に移行した場合でも不利な条件で調停が成立することはないといえます。ただし、心理的な面でプレッシャーになる可能性はあります。できるだけ有利な条件で離婚を進めたいときは、自身も弁護士に相談・依頼して対策を講じることも一つの方法です。

協議離婚の段階では本来、必ずしも弁護士が必要なわけではありません。また、離婚調停の場合も調停委員を介して話し合うため、弁護士と直接やり取りする可能性は低いです。しかし、弁護士相手に自分だけで交渉するのは負担がかかります。対等に交渉を行うなら、こちらも弁護士をつけるのがおすすめです。また、離婚裁判に発展するおそれがある場合、法的な知識や主張、立証が求められます。そのため、離婚に強い弁護士への依頼を検討しましょう。

相手方の弁護士から連絡があった場合、まずは冷静になり、以下のような対処を意識しましょう。

相手方の弁護士からは、基本的に内容証明郵便や普通郵便などで書面が届きます。突然のことで困惑し、無視してしまうこともあるかもしれません。しかし、連絡を無視し続けていると交渉面でこちら側が不利になる懸念があります。連絡があったら無視はせず、まずは内容をきちんと確認するようにしましょう。

また、例外的ではあるものの、書面が届く前に電話がかかってくるケースもあります。知らない電話番号はすぐに応対せず、インターネットなどで検索して相手先を確認するのがおすすめです。とっさに出てしまった場合、弁護士の氏名や事務所名などを確認したり、書面で主張を送付するよう求めたりして、その場で同意・結論を出さないようにしましょう。

配偶者本人に直接連絡しないことも重要なポイントです。本人に直接連絡したことで、相手方の心証を下げるおそれがあります。また、当然のことながら相手方の連絡窓口は弁護士です。法律の専門家と直接やり取りが発生することになるため、不利な条件で交渉が進んでしまう可能性が懸念されるのです。

間違った対応を回避するうえで、法律の専門家のアドバイスは欠かせないものです。そのため、有利な条件で離婚したい方だけでなく、離婚に応じたくない方も弁護士に相談することをおすすめします。このとき、離婚問題に強い弁護士を選ぶことが理想です。